長年の懸案の一つであった剣岳周回 大窓コースへ行ってきました。天候にも雪の多さにも恵まれ、一度もスキー板を脱ぐ事無く、馬場島まで滑り込めました。ハードでは有りますが中々楽しいコースです。しかしながら雪の多さは谷筋では雪崩の巣となってたりするので注意しながらです。三の窓からも大規模なデブリが押し出していましたし、大窓の登りも下りも昨日かと思われる大規模デブリが押し出していました。1日の雨と天気の良さに暖められた雪が岩壁から剥がれ落ちてスゴイ量の雪となって谷に押し出したんですよね。そんなこんなでマジっかと思いつつも注意しながら山スキーコースのパラダイスの一つを滑ってきました。
5月3日 立山駅〜室堂9:30〜雷鳥平9:40/55〜剣御前小屋11:15/12:15〜剣御前手前のピーク12:20/12:30〜剣沢小屋付近12:35/13:20〜剣御前小屋14:00
5月4日 剣御前小屋7:10〜剣沢小屋付近7:15〜平蔵谷出合7:27〜真砂沢出合7:38〜二股・近藤岩7:47/8:00〜三の窓出合8:16〜池の平乗越9:23/45〜小黒部〜大窓雪渓出合9:55/10:10〜大窓12:15/55〜中仙人谷〜1255mの平坦な安全地帯13:34/50〜976m取水口14:15〜林道14:23/38〜馬場島14:48
雷鳥沢を登る

立山駅には午後10時過ぎに到着。東京から車で長野ピックアップで立山駅まで移動なのです。立山駅駐車場に簡単宴会して就寝。翌日は剣御前小屋までなのでユックリ寝てよう、と言うことでノンビリと準備して立山駅に着くと切符を買う長だの列に唖然。
幸いにしてもケーブルカーで無く直通バスは皆知らないのか簡単に切符が買えたので室堂まで直通バスで上がった。立山駅は曇り空であつたが途中雲を越えて雲海の上に大日や薬師が素晴らしい眺めだった。今年の雪の大谷は19m。スゴイ。
さて室堂で用意して雷鳥平へ。やはり雪が多くて例年何らもう少しアップダウンがあるのだが雷鳥平までほとんどの登り返しらしいことしなくて滑り込めた。10分で到着、歩きと比較にならない速さである。
下:剣沢の滑り(剣に向かって)
右:同上(後立山**に向かって)
剣御前小屋で宿泊手続きをして休憩した後、少し遊んでみる。剣沢小屋付近まて楽しい滑りだ。雪質はザラメで快適〜!あっという間に滑り込んで遊びは終了となってしまう。剣沢小屋も剣山荘も営業はしていない。実は雪の多さで柱が折れてしまっているらしく営業できないらしい。まだ両小屋とも除雪作業中であった。そのお陰で御前小屋は連日の満員状態らしい。
さて休憩した後は剣御前小屋までの登り返し。難なく到着し、後は翌日を待つばかり、天気は良いらしい。
朝一番のカリカリ斜面を滑り出す

5月4日今日は大窓目指して行く日だ。天気は快晴で文句無し、見渡す限りの晴天である。さて気合いれて行きましょうか。先ずは剣沢を二股まで1100mの滑降です。滑り出しは剣に向かってカリカリバーンです。昨日のトレースの凹凸が邪魔ですが、気持ちは最高です。剣沢小屋付近のテント村までほんの僅かでビュンビュン飛ばします。快適そのもの。
どうやら剣沢に滑り込むのは我々が本日の最初みたいです。大窓コースも先行する人がいると思っていたら以外にも誰も行かないみたいなのです。
剣沢上部を滑る、向こうは源次郎尾根と八ツ峰

剣沢は右に大きく曲がって太陽の光りをふんだんに受けるようになるとカリカリからザラメに変わってきました。滑りやすくなってきたのでドンドン先に滑り込んでいってしまいます。上から単独の山スキーの方が滑り込んで来られました。長次郎を滑るとのこと。なかなか大窓コースの方はいないです。
右手に大きく曲がると鹿島槍などの後立山連峰を目がけての滑降となり、豪快な滑りが堪能できちゃうのでした。
長次郎雪渓を背にして滑る

平蔵谷が左から出合います。登山者が登ってします。源次郎にも既に登山者が結構います。皆早起きです。長次郎の出合にはテントが数張り。雪渓を詰めていく登山者や八ツ峰を目指している登山者がソコソコいました。さて我々は長次郎雪渓を背にしてさらに滑り込みです。みみまで結構な標高差ですが、まだまだ先は長いです。素晴らしい大景色の中ドンドン飛ばして行きましょう。
下:二股・近藤岩
右:剣沢下部の滑り
真砂沢と出合、当然小屋は陰も形も無し。真砂沢も完全に埋まっており、見た様子ではデブリは下部には無いみたい。真砂沢では二人連れの登山者がいた。先を急ぐのでそのまま通り過ぎた。二股の手前で一部沢が割れていたが右岸を行けば特に問題は無し。そこを越えれば近藤岩がドカーンと鎮座する二股である。真っ白な沢中に近藤岩だけが飛び出していた。ここで票差1100mの第一部滑りは終了し、登りの第一部となるのでシール装着です。
三の窓を見上げつつ北股を登る

二股で既に三の窓は見えている。出合まで来るとコルの右手岩稜より雪が落ちて谷全体を埋めているデブリが。三の窓の登りはこのデブリで大変そう。だが、おいしそうな斜面である。次回是非来たいところである。北股は左岸より小規模なデブリがいくつかあるが、特に支障は無い。直に池の平山が穏やかな斜面を右手になびかせて姿を現してくれる。なかなか素晴らしい滑りの斜面である。そんなこんなで小窓雪渓が左手より出合といよいよ傾斜は増して池の平への登りとなる。池の平へは小窓を左手に直進、右手の急斜面から雪がズレ落ち気味なので左手寄りに直進する。少し上で二俣となるが傾斜の緩そうな左俣で登って平ノ池にでた。辺り一面真っ白けである。ここからの池の平山の斜面はすこぶる素晴らしい斜面。三の窓とこの池の平山のセットで来たいものである。
平ノ池を横断する。

平ノ池より池の平小屋のある乗越までは直ぐである。池の平の乗越部分は結構広い平坦地なのであるが、まったく斜面と化していた。いったい何メートル積もっているのだろうか。かなりスゴイみたい。後にはハシゴ段乗越、さらに背景には針ノ木岳が鋭峰の感じで頭を出している。左手には八ノ峰がついに格好良い姿が出現。いゃ〜ぁ、やっぱここは素晴らしい所です。
さてもうひと汗かけば小黒部への乗越。ちょうど前夜テント泊したのか、、、テント整地跡を乗り越えて池の平小屋のあるはずの部分へ到着した。
八ツ峰を堪能しながら大休憩です

登りの一部を終了、大汗かいてしまったが、ここはそんな苦労なんとぶっ飛ぶ大景色である。ここからは夏を含めて初めてのコースである。途中の大窓で北峰稜線縦走と交差するだけ。あの大窓にこちらから入り込めるなんて感慨深げになってましいます。
ここでは二部の滑り込みの前に大休止で、景気を堪能しながら行動食なんかを頂いてパワーを出しておきましょう。第二部の滑りは小黒部谷と大窓雪渓の出合のでの標高差500m、出だしは少し急斜面らしいです。(との情報)
ではでは、小黒部谷に滑り込みます

八ツ峰とおさらばして小黒部谷に滑り込み開始です。快適ザラメです。昨夜、この池の平に天幕された単独と思える方が先行するシュプールが一つ。ここもまた大斜面です。右に左に自由にルートを取ることが可能です。小黒部谷は欅平で黒部川と分岐して池の平に突き上げる谷で、途中ブナクラ峠に突き上げる折尾谷、毛勝方面からの中谷などの支谷をもつ大きな谷です。
池の平からは折尾谷分岐方面まで真っ直ぐ谷が伸びて行くのが解ります。奥に毛勝三山、右手方面には白馬等の後立山の山々が見渡せます。
小黒部谷の上部はソコソコの急斜面

向こうは白ハゲ山か?、源頭斜面を自由にルートを取り滑り落ちて行きます。気持ちの良いところです。この剣の懐でのスキーイングはやっぱ良いですわ。
・・・大窓コースは何組がきっとこの晴天を狙って入ってくるだろうと思っていましたが、この辺りでどうやら本日は我々のみ、を実感。二人だけで大自然と大斜面を楽しませて頂くのはありがたいのですが、少々不安も感じてしまいます。気をつけて行きましょう。
小黒部谷中間部、少し重たい雪だが快適滑降

源頭部は谷が扇状に左右に大きく広がっていたが徐々に谷筋は狭まって行きくます。デブリも無く快適滑降です。正面の毛勝の山々はまだまだ遠く近づきません。昨年はあの三山の猫又山、その前年は毛勝も行ったが、東面に広がる中谷の谷筋も今後の検討対象なにしなければならず行きたいコースは増加の一途で困ってしまいますよね。
さてさて快適滑降はまでまて延々と続くのでした。
滑降コースを見上げる

池の平の滑り出し方面を見上げると我々のシュプールが微かに小さく刻まれていた。大自然の中のほんの小さな遊びと言う感じの跡の残し方。さてもう少しで大窓雪渓との出合です。雪は腐り気味となってきました。今日もかなり気温は上がるのでしょう。
大窓雪渓出合まで滑らず右岸の台地手前に滑降終了、ここでシールを再度装着です。先行者のシュプールは大窓には入らずそのまま滑り下っていっている様でした。きっと折尾谷でも登り返してブナクラ峠を目指しているのかもしれません。
右:大窓雪渓全容
下:やはりここもデブリが
(大窓雪渓最上部のデブリ)
大窓雪渓はデブリ嵐となって小黒部谷に出合っていた。出合上部のより左岸で滑りシール登行に切り替える。大窓雪渓に入り込むとデブリは池の平山よりの谷筋から落ちてきており、下部を全て埋め尽くしていた。昨日の真新しい大規模デブリである。テントマットがデブリから少し出ていたのでもしやと思いビーコン探索モードにしてみたが反応は無かった。このデブリを横断するのシールで横断は四苦八苦だった。さて大窓への本格的登りです。700mの登りです。
左:大窓雪渓上部の登り
右:大窓の雪庇弱点を突破(雪庇上から撮影)

大窓雪渓は近くて遠い。大窓にはかなりの高さで雪庇が発達しているのが解る。この巨大雪庇の張り出しの下を延々と登るのは心臓に良くないが致し方無い。とりあえず休憩無しで登りっぱなし、崩壊の流露にはならないだろう部分を選びながら登るが、その他の両岸の切り立てっておりどこから雪崩れてもおかしくない場所である。時折ガラガラと大窓ノ頭寄りの岩壁より落石があります。まぁとにかく心配するより早く突破することに集中しましょう。
上部まで何とかシールで上がれます。大窓への突破は中間部分の雪庇弱点、幸いなことにトレースがあり楽勝でした。
大窓に張り出した雪庇の弱点を越える

向こうは白馬岳と旭岳。大窓中央部の雪庇は張り出しが無く、トレースもあった。雪庇下でスキーをザックにかけてツボ足で越えます。徐々に斜度は増しますが、最後の乗り越しをエンヤコラと体を持ち上げて突破です。両脇は張り出しの雪庇で越えられません。特に北よりの雪庇は巨大でした。
さてここで本日の登りは白萩川の高巻さえなければ終了です。大休止としましょう。大窓にはちょうど二組のパーティが居て大窓の頭へ登る組とどうやら大窓をベースにしているのか下ってくる組が居ました。先夏の大窓は辛うじて雪塊より融ける水を補給した所ですが、今は雪だらけ、当たり前ですが。
大窓より中仙人谷源頭へ滑り出す

ここよりは落石の危険が増すので持参の沢ヘルを被ります。さて滑降開始。
左が小窓ノ頭、右端がマッチ箱だろうか?、、、小窓尾根の鋭いピークに囲まれて中仙人谷源頭の大斜面に滑り出します。源頭はこれまたすこぶる大斜面で気持ちヨカヨカです。白ハゲ山より落石が多そうで、雪の上にいくつもの岩が落ちています。と、大きな岩が斜面をコロコロと勢い良く転がって行きます。注意しないと危ないのです。
中仙人谷、そして白萩川のコース全容

中仙人谷は徐々に斜度を増していきます。この谷は中央部に尾根上の凸部があり向かって右手(北より)の谷を滑ります。左手の谷は途中一箇所雪が繋がっていない可能性があるらしいです。
さて右に左に斜度を増した大斜面を楽しみますが、下部には谷全体を覆うデブリが見えています。まだ様子が解らないので滑り込んでいきました。だんだん雪質はザラメでなく重系の雪に変化して苦労してしまいます。
左:中仙人谷の中間部の滑り
右:中仙人谷を見上げる

谷を落ちて行くと小窓尾根が頭上高く見上げる様になってきます。その中を快適スキーが続きます。重い雪を掻き分け掻き分けグイグイとターンをして行きます。かなりお疲れ・体力消費モードで、偶に転けたりもします。中仙人谷下部ではスキートップが埋まるほどの雪質悪化。ちょっと参ったなぁスキーイングとなってしまいました。が、斜面をうまく選べば埋まらず滑れるところもあるので何とか行きます。
西仙人谷から押し出したデブリが谷を埋める

標高差500m滑り降りると斜度が緩み西仙人谷が少し下で東仙人谷が出合うが、上部から見えていたのは西仙人谷から押し出した大量のデブリ。このデブリさらに150m程標高を滑り押し出していてかなり先まで到達しています。ここでスキーを脱ぐことになりそうでしたが、なんとかデブリの右岸際をやりこなして行くことに成功で、一応スキー滑降できました。それにしてもスゴイ。谷の両際をえぐって流れているのでした。
白萩川1200m付近を滑る

デブリを越えてひと滑り。1225mの平坦地を安全地帯と判断して大休止です。それにしてもデブリ突破には難儀しました。ここで休憩していると左岸の岩壁よりゴーと音がして突然、土石と雪のミックスした物が滝となて落下。ヘルを外してこの先は滑ろうかなぁと思ったがやっぱりヘルで。
この先はざこまで滑れるか不安もあるが。何とか林道まで繋がっていそうな感じ。中仙人谷の景色もそろそろ終わりでこの先谷は屈曲し始めて行きます。
池ノ谷出合の下部を滑る

切り立った断崖に囲まれた池ノ谷が左手より出合。こちにも雪で埋まっている。どうやら今年は林道まで雪は繋がっていそうな気配である。両岸より落ちる土砂でかなり汚い部分もあるが白萩川はまだ割れていない。やっと取水口手前の屈曲部で初めて沢が空いていた。が両岸どちらでも越えられる雪の量。取水口を過ぎて広い谷筋にでると所々沢が開いているもの難なく越えられ、高巻や渡渉せずに済んだ。
最後は堰堤を右岸より越えて無事林道へ。橋は板を脱いだが、以降は馬場島の車道までスキーのまま滑れました。
長かったこのコースも無事完走です。馬場島で買ったビールで乾杯しました。
上市付近よりの剣岳

以降。馬場島でタクシーを捕らえて10000円で立山駅まで。亀谷温泉(600円)で汗を流して上市のスーパで買出し、丸山総合公園の素晴らしいテント場(?)で宴会・就寝しました。翌5日は猫又山(猫又谷経由)を目指しましたが、林道が想定より手前で通行止め、あえなく敗退。折角だから小川温泉元湯、それに白馬の某手作り系露天を満喫しGW後半のテレツアを締めくくりました。

やっぱこのコースは最高っです。

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剣岳周回 大窓コース
2792m 
テレマークスキーツアー 


歩行:5月3日 4時間30分 5月4日 6時間38分
メンバー:太田、塚田   場所:北ア  記録日:2006年5月3日〜4日