剣岳はこの数年山頂を踏んでいなかったので、ソロソロ行きたいなぁと思っていた山である。高度差2200mの早月尾根はまだ登っていない登路なのでこれで行ってみることにした。折りしも初雪の便りが北アから届いて数日後ではあるがどうせ融けているだろう、とたかかをくくって出かけたが結構いっぱいありました。さてその記録。
金曜日と土曜日は稲の脱穀で終日農作業となってしまった。天気は良いのに山に出かけれないのはストレスがたまるので日曜日は山の日と決めていた。農作業で疲れて体に鞭打って17日0:30自宅を出発し一路馬場島を目指した。満天の星空の馬場島に3:30到着しそのまま登山開始である。ヘッドライトを頼りだがいきなり登山道入口で道を外した。藪で行き止まりとなり、引き返し無事登山道に入った

馬場島3:30〜1800m地点6:00〜早月小屋7:27〜2400地点7:55〜剣岳山頂10:30/11:00〜早月小屋12:55/13:10〜1450m地点14:15〜馬場島15:17
夜明けの毛勝三山(猫又山と釜沢山)

暗闇の中、もくもくと登り5:00頃より明るくなり始めた。やっと手元の見える5:30頃に朝食。標高は1400mぐらい。左手の毛勝三山のうち猫又と釜沢が見えていた。明るくなって始めて気づいたが結構雪で白くなっているのである。剣も上は雪か、と一瞬この先の事が不安になったが、まぁ行ける所まで行くか、の気分で登り続ける。標高1600m付近でいよいよ雪が現れ、見る見るうちに深くなっていった。一応6本歯のアイゼンを持ってきた良かった。しかしスパッツはゴムが伸びきってしまい持ってきていない。雪がジャンジャンと靴に入り込み、まいってしまう結果となってしまった。
右手には奥大日、左手には毛勝三山が見えている。紅葉はいま三程度で、良くないものの新雪の白さが補っている感じ。中間地点の早月小屋のある平坦地は、あれかなあれかなと先を見上げるもののなかなか到着しない。馬場島が標高800mなので2200mの早月小屋までは1400mの高度差であり、これが中間と思うと先が暗くなる。
左手に見えている赤谷山と同じ標高なので赤谷の山頂が真横に見えてくるともう少しと思い頑張った。もう少しと言うところで池塘が出てきくる。池の水は凍りついているもののそんなに厚くない。この辺りは紅葉もピークの様で、一応何とかなる美しさであった。そんなかんなで先を行くが、時折剣尾根の鋭い山稜が見えて、いかにも剣でないの? これ? と言う感じでなってくる。そして待望の早月小屋は小ピークを越すとそこにあった。小屋は閉まっており、テントが3張。既に剣に出かけている様でヒッソリとしていた。この辺りから雪はますます深くなる感じである。ここまで朝食で立ち止まっただけで休憩は一切無しである。がここも休憩せずにそのまま登山続行である。
森林限界上からの奥大日岳と大日岳

しばらく登るとハイマツ帯となり、樹林帯を越えた。奥大日から大日岳の展望も素晴らしいし、立山・室堂方面の展望もどんどん良くなってきた。これから先は岩稜となるので、ちょっと頼りない6本歯アイゼンを装着した。まともなアイゼンを持って持ってことなったのでこの先が不安であるがしょうがない。注意して行くだけである。登山道は主に池ノ谷側を巻くように急登していく。立山川側はするどく断崖で切れているが、池ノ谷側も急傾斜である。雪も深く吹き溜まりにたまにはまると50cmぐらいはある
小窓王と小窓ノ頭(と思う)、向こうは白馬

雪で足元の悪い中 あえぎあえぎ高度を稼いでいくと、左手の北方稜線の鋭峰を見下ろせる様になってきて、山頂が近いことが伺われる。北方稜線は南側を見ているので、そんなに雪がついていないので、この稜線をたどる踏み跡がかろうじて分かる感じ。来年には歩きたいルートなのでジックリと観察させて頂いた。小窓ノ頭の向こうには白馬三山が見えていた。相変わらず東大谷側は鋭い断崖である。山頂までずっとそのようである。断崖のルンゼの落ち込み口より白い奥大日岳が見
えた。断崖の黒と対照的に真っ白さである。
山頂鎖場手前よりの立山と別山尾根

この辺りからは登山道の赤マークや赤矢印が雪で隠れている状態となり、ここかな、と思えるところに先行者のトレースがついている。時より東大谷側の断崖際も通り、アイゼンを利かせて登る場面も出てくる。鎖場も連続して表れ、いよいよ核心部に突入した感じである。一人なので時間のことより慎重に行くことにした。核心部では右手には素晴らしい展望が得られる。別山尾根の断崖と白い立山。展望に気を取られながらも慎重にトレースを追うが、ここは左だよなぁ、と言うところで直登していた。左は雪も深いので、それでは私も直登と言うことで進むと、ますます急になり岩登り状態、さらに雪の下は安定していないガレでヤバイ所に踏み入れてしまった感じ。先行者のパーティはここでザイルを出して登ったらしい。私は後退も危なっかしいので、そのまま慎重にガレのトラバースや雪混じりの岩壁を攀じ登った。
剣山頂の祠と白山

山頂には単独の方が1人、3人パーティ、そした私の5人で皆 早月尾根の模様。少し遅れて別山尾根から1人が登ってきた。もう雪で剣の一般登山者はこの日で終わりだろうか。
山頂からの展望は素晴らしく富士山や白山、南アもよく見渡せた。白馬方面も降雪がソコソコあった様で白くなっている。10月中に白馬も良いが、どうしようかな。薬師と室堂も真っ白けである。このまま降り続けは11月後半前にはスキーできそうだが、まぁこの雪も融けるだろうね。
登って来た早月尾根

あの早月川横の馬場島から登って来たわけだが、こう見ると長い。良くぞ登ってきたなぁと感心してしまう。それに早月尾根にも結構な雪。
さて、山頂は私1人になってしまった。展望も楽しんだし、帰りも長そうなので下山開始。上部の下りは、行きより慎重にしないとね。
早月小屋と一服剣(か?)

慎重に下りつつも休憩無しで歩き続けて早月小屋に到着。行きより雪は融けて少なくなっている感じ。小屋で栄養補給していると途中で抜いた3人組が下りてきた。今日もこの天幕場に滞在の様である。
さてさて私はまだまだ長いので先を急いでいく。小屋から小高いピークを越えて下山だが、このピークよりは小屋と立山川に湧き出た雲で結構綺麗な風景となっていた。
紅葉と剣岳

下るに連れて雪から紅葉へと変わってくる。やはり今年の紅葉はあまり良くないものの、所々美しい色合いとなっいる。池塘のある所から振り返ると雪の付いた剣と紅葉が一緒に納まっていた。
綺麗な紅葉を探しながらもくもくと下山し続けていくと、真っ赤なナナカマド発見。背景には逆光だが、奥大日岳でる。
その後は、一身腐乱に膝の痛みを堪えて無事馬場島へ。途中のバカでかい杉に感動したりもした。馬場島で汗をその辺の水道水で流し、一応サッパリできた。その後は一路長野へ車を飛ばした。

ホーム山行記録⇒2003年2002年2001年2000年以前源流釣][温泉山行][花の山行][低山巡り][地域別][百名山
テレマークの分類→【北アルプス信越国境上信国境上越国境尾瀬周辺北信五岳周辺八ヶ岳周辺東海北陸・中央/南アルプス東北

剣岳2998m 早月尾根 新雪の剣です。


歩行:11時間43分   メンバー:単独
場所:北ア       記 録 日:2004年10月17日