台風22号の大雨で増水した戸台川の渡渉から始まった。小ギャツプ、鹿穴ルンゼには、なんと鎖が付いていた。結局持参したザイルは使わずじまいだった。渡渉と第二高点へのトラバースが核心部だった。
10/10 戸台川河原5:30〜戸台川一回目渡渉6:10〜角兵衛分岐(二回目渡渉)7:15〜大岩下ノ岩小屋(水場)8:45/9:00〜角兵衛沢コル10:10/20〜鋸岳第一高点10:30/45〜鹿穴11:15/25〜第二高点12:03〜中ノ沢乗越12:30〜三ツ頭14:00〜六合目岩室14:45
10/11 六合目岩室5:30〜甲斐駒ヶ岳6:53/7:00〜駒津峰8:00〜仙水峠8:50〜北沢峠9:40(10時のバス乗車)〜戸台大橋10:40〜戸台川河原11:00
鋸岳第一高点からの展望 左より甲斐駒ヶ岳、鋸第二高点、第三高点、北岳、間ノ岳
小ギャップは手前のハイマツ帯向こうから下りる、底から登り返して平坦に見えている包丁の歯リッジ(仮称)に登り返して手前ピーク向こうの鹿穴まで甲州側を巻きます。
最初の渡渉点

写真の右下から左上に流されるように渡渉した。靴は濡れては長い工程に差し支えるので脱いで首に掛けて素足の渡渉である。普段はチョロチョロ川だが、尻まで濡れてしまった。「おー冷たい」
戸台川は台風22号の影響で増水しており、登山道兼工事車道は川となっている所数箇所。
角兵衛沢分岐で二回目の渡渉だが、(写真を撮らなかったのが残念だが)一回目の非でない。白濁する勢いのある流れである。一瞬撤退も頭に浮かんだが、折角の鋸岳挑戦である。こんな岩稜と関係無い沢の渡渉で撤退する訳にはいかんのです。素足で突入・・・結局腰まで濡れ濡れのホウホウの体で対岸に上陸。しかしキワドカッタ渡渉だった。
大岩下ノ岩屋(水場と同じ)

テントが数張でき、冷たい美味し〜い水が台風の影響でしょうか、ジャンジャン岩から染み出ています。・・・ここまでは角兵衛沢のついている赤布を頼りに結構ハッキリした踏み跡を辿れば着きます。最初は苔むした登山道で小沢を右岸に渡ってからは樹林帯の中を進めます。
この大岩は垂直100mもあろうかのほんま大岩でして、ハングしていて岩小屋になっています。超快適間違え無しです。事実、この後あった日本海〜太平洋縦走の方は台風22号通過をこの岩屋でノンビリして過ごされたと言っておりました。

ここで大量の水を飲んで、さにら4リットルをザック備蓄して出発です。
角兵衛沢状部の様子とスフィンクス岩(らしい)

岩屋からは延々とガレ場が続いています。ガレ場の急登を左岸沿いに行きます。場所によっては3歩登って2歩ズルズル下がると水前寺清子調の登りです。大岩から岩は降ってこないので安心です。このスフィンクス岩(確かに横から見るとそんな様にも見えた)の先まで左岸沿いに登り、いつしか右岸に移ると足元の岩も安定し傾斜も緩んで角兵衛沢コルに着きました。凄い風なのでコル手前のテント整地場で休憩し、さてっとと言う感じでハーネスをつけてザイルをザックの一番上に入れときました。いよいよ核心部突入です。ペースは随分予想よりは速い
コル少し上からの鋸岳第一高点

「オゥー、鋸が見える。」何度か来よう来ようと思いつつ、重い腰が上がらなかったがとうとう来ました。これも天気が悪くて剣北方稜線をあきらめた結果でこうなりました。
昨夜の台風通過で今日は台風一過の秋晴れ、と今はなっています。雲が多めですが、こりから第二高点までの核心部通過までは天気が良さそうです。ガスの中、では気色悪い岩の墓場みたいな所ですから明るい空の下がなによりです。ラッキーです。
角兵衛沢を見下ろす

こう写真で見ると「なんだ、大したこと無いじゃん。」となってしまいますが、実際は結構急です。既に紅葉でして、岩に張り付いている何だか知らない低木が真っ赤です。今回は岩稜の緊張と紅葉のベストマッチ山行です。
・・・山スキーに良さそうなところだなぁ・・・。
第一高点で記念写真

第一高点までは急な登り程度で特に問題は無し。山頂には木の標識、そして向こうには甲斐駒ヶ岳が半身雲で覆われている姿が見えた。甲州側は全般的に強風で雲が出ている。
さて、いよいよ小ギャップの懸垂下降である。気合を入れて急な下りをして少し行くと小ギャツプの下降点についた。が、なんと想像していた懸垂用のスリングが無い、なんとピカピカした新しそうな鎖があるではないか?、懸垂か鎖で下降かと迷ったが折角鎖があるのだがらこれで下降してしまえ、で下降開始。途中ハングっぽい所が厄介だったが無事7,8m程度の小ギャップ底に到着。やっぱりここは懸垂の方が楽だわ、と実感しました。
鹿穴入口からの第一高点と包丁の歯リッジ(仮称)

小ギャップからは前に壁の急斜面を登るがやはりここにもピカピカ鎖が。登りに鎖は不用といきまいて急壁を登るが、なんとルートを左にそれていやなトラバースが必要、おまけに岩が濡れている。落ちたらさぞ痛い(痛いで間違えなく済まない)だろうと緊張しつつトラバース成功。グイグイと登って包丁の歯リッジを跨いで越して甲州側の巻き道はどこねん?と探するとあるある。一段下がってトラバース道に入ります。よく鹿穴と間違える岩が切れた部分も数メートル右手にあるが別に穴は無い。どうして間違えるのだろうか不思議なくらいである。鹿穴はトラバースを20m程度行くとポッカリ空いています。突然の出合いの様に鹿穴がそこにありました。
鹿穴(穴は吸い込まれる様に急傾斜しています)

と、ここにもピカピカ鎖がある。今日はザイル全くいらないのだろうか。鹿穴出口付近の懸垂用の支点も取り外されていて無い様だった??。致し方なく、あるものは利用する性分なので、鎖で下降開始する。が、鎖が右へ左へ揺れると小石がバンバンと落ちてきます。危ないのです。鎖をあまり横に動かさないで両手も広げられない超狭いルンゼを左右の岩を両手踏ん張りで持ち、下降しました。(途中からは鎖が邪魔で使いませんでした。鎖長さ30m以上はある。)
幾分斜度が緩むと右手の草つき潅木帯に踏み跡があります。またここから大ギャップへのルンゼへの巻き道が左下に見えるます。この草付き踏み跡も足を滑らせると左手の急ルンゼガレ場に落ちます。注意です。
鹿穴ルンゼ巻き道入口よりの第二高点

右側の草付き道を真剣に下りると鹿穴ルンゼのガレ場がまた近づきます。草付き道はまだ下る様だが、これは間違えだと思う。ルンゼのガレ場の向こう側には赤布が一応見えているし、トラバースの踏み跡で道らしき様になっている。
鹿穴ルンゼのガレ場は5m程度で横断でき、踏み跡に入り込んで行きます。
鹿穴ルンゼのガレ場横断終了点より見上げた鹿穴

鎖が垂れているのが解る。鹿穴からは(下りを想定した場合)左寄りに狭いルンゼが走っている。途中で右に少し急傾斜の中曲がっていき、足場がシッカリ確保できる場所まで下りると右手の草付き踏み跡の入り口となります。
第二高点登り口より見た鹿穴下降からルンゼ横断の道

鹿穴からのルートは以下の通り
・写真上から左下に急傾斜で落ち込むのが鹿穴ルンゼ
・鹿穴ルンゼから写真上部3/1辺りまで下降し
・左の(下った時は右手)草付きに入り下降
・写真上下の中央付近、左より右に微かな踏み跡が解る、これに入り込む
・踏み跡は右よりで一段下がり岩場側壁を通過
・岩場トラバース後は、大ギャップよりのルンゼ合流
・このルンゼ(5m程度)を横断し、ガレ場の左岸沿いに僅かに下降
・第二高点へ草付きと潅木の急登


なお、この辺りより急激に天気が変化し、以後曇天と雨となりました。
中ノ川乗越への下り

大ギャツプ下のルンゼへ向かうトラバース道は最初は何とも無い。途中赤布が少し上の方に付いているが、これはきっと間違いの様で、その手前で右下に入る踏み跡もあり、それを辿っていくが正解らしい。上へ行くと、どん詰まり上へ上へと逃げて大ギャップ底の方に行ってしまうみたい。で、下の道は岩場で先がよく解らない状態になるが、まぁ何とかなるでしょうと行くと確かに何とかなるが、結構岩角が出張っていて危なっかしいトラバースとなる。この下は断崖なのでちょっと肝を冷やすのである。
lと、ここで初めて登山者に遭遇した。彼は大岩下の岩屋から今朝出たとのこと。そう言えば踏み跡があったのである。
大ギャツプ下のルンゼのがれ場を左岸沿いに少し下降すると第2ギャップへの潅木帯の急登になった。ここまでが核心部である。ちょうど核心部を過ぎたところで天気は急変し曇天。以降ずっと曇天。
第二高点へは急ではあるが普通の道である。山頂はガスの中で剣が一つ立っていた。
雇用の宿、廃墟の六合目岩室

六合目岩室には14:45に到着した。早速雨風を防げる岩室中にテントを設営し、寂しく1人で過ごすと、16時前には先ほどの縦走者が、さらに16時過ぎには、甲斐駒ヶ岳よりの縦走者1人。結局今日はここで1人だけと思っていたら合計3張りが狭い岩室の中にテントを張りました。
飯を食べて明日の天気を確認しすぐに就寝。18:15には寝ました。翌朝は3:30起きです。天気は晴れ間もあるような感じの天気です。
11日朝 甲斐駒を目指す(右奥が甲斐駒)

朝から天気が悪く気が重い。徐々に晴れてくる予報であるが、時より雲が流れてポツポツ雨が降っている中を出発する。甲斐駒まで1時間30分であるが、山頂に着くころには快晴だろう、と想像して暗い気持ちを抑えて登ります。
振り返ると鋸岳がガスを払いのける様に雲に隠れては見えるという感じでした。
甲斐駒山頂近くよりの鋸岳

雨がポツポツ降ったりガスに覆われたりしながらも回復基調の様で徐々に山の雲も減ってきている感じ。昨日越して来た鋸岳の第一高点、第二高点が雲の中現われ始めていた。甲斐駒への縦走路は花崗岩の尖がった岩が多い道。晴れ上がっていたら、さぞかし綺麗な感じである。
鳳凰三山に雲流れる

甲斐駒の山頂手前では冬毛になりつつある雷鳥が3羽速足であちこち歩き回っていた。こんな天気の悪い日が雷鳥の行動日である。天敵の猛禽類などから身を守るためらしい。
甲斐駒山頂は私1人だけ。静かに山頂だった。あいにくここで霰に降られ、サッサと下山を開始した。と、どうだろうか 天気は急激に回復し見上げる甲斐駒は快晴の青空の下に見えている。もう少し山頂にいれば、と後悔しつつも下山続行すると、北岳、仙丈、鳳凰三山などのまわりの山々も雲が流れて素晴らしい景色となっていきました。
駒津峰にくつろぐ登山者と仙丈岳

駒津峰には今朝、北沢峠から登ってきた登山者で賑わっている感じ。どんどん仙水峠より人が到着している。さすが 甲斐駒は百名山で人気があるみたい。今日あたりお隣の仙丈にも大勢の登山者が向かっているんだろうなぁ、と思いつつ、ほとんど人と会わない鋸の縦走はやっぱり良かった良かったと満足してしまいました。
甲斐駒を目指す登山者

駒津峰より今度は甲斐駒を振り返ると やはりゾロゾロと登山者が列をなして登って行くところでした。さて駒津峰とも、鋸や甲斐駒や仙丈、それに南アの大展望ともお別れして北沢峠への下りしかない下山の開始です。足、膝の調子も良いので、快適に飛ばして下って行くと、いっぱいの登山者とすれ違いました。「もう登って来たの?
と言われつつの下山でした。
甲斐駒とナナカマドの紅葉

仙水峠への下り最中に結構赤い紅葉しているナナカマドを発見。ちょうど甲斐駒も青空が出ているし綺麗な写真狙いで撮影しました。
今年の紅葉は、あまりピカピカの紅葉では無いみたいで、渋い紅葉が多そうでした。さ
て紅葉があるうちにもう一つぐらい高峰を登りたいのでずが・・・。

ホーム山行記録⇒2003年2002年2001年2000年以前源流釣][温泉山行][花の山行][低山巡り][地域別][百名山
テレマークの分類→【北アルプス信越国境上信国境上越国境尾瀬周辺北信五岳周辺八ヶ岳周辺東海北陸・中央/南アルプス東北

鋸岳2685m(第一高点)〜甲斐駒ヶ岳2966m 南アの岩稜コース


歩行:13時間25分(北沢峠まで)     メンバー:単独
場所:南ア       記 録 日:2004年10月10日、11日